西小の生活科・総合的な学習の時間

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
1 研究主題について
           人や自然とかかわりながら,生き生きと活動しようとする児童の育成
                 −生活科・総合的な学習への取り組みを通して−
 
2 主題設定の理由
(1)教育の今日的課題
 我が国の社会は,国際化,情報化,科学技術の発展,環境問題への高まり,高齢化,少子化など様々な面で大きく変化している。このような時代の中で,21世紀に生きる子どもたちが社会の変化に柔軟に対応し,主体的,創造的に生きていくことができる資質を養うことが求められている。
 平成14年度から本格的に実施される学習指導要領では,各学校が,地域や学校,児童の実態等に応じて,横断的・総合的な学習や児童の興味・関心等に基づく学習など創意工夫を生かした教育活動を行う時間として,第3学年以上の各学年に総合的な学習の時間が創設される。総合的な学習の時間では,自ら課題を見付け,自ら学び自ら考え,問題を解決する力などの「生きる力」を育てること,また,情報の集め方,調べ方,まとめ方,方向や発表・討論の仕方などの学び方やものの考え方を身に付け問題解決に向けての主体的,創造的な態度を育成すること,自分の考えや意見をもったり,自分のよさに気付き,自分に自信をもったりするなどして自己の生き方について考えることができるようにすることをねらいとしている。
 そこで,この変化の激しい社会を「主体的に生きる」には,児童自らのよさや可能性を発揮し,現代社会の課題と向き合いながら,探究できる学習を計画することが大切であると考えた。同学年や異学年の児童とも活動の中でかかわりをもち,お互いに協力し,学び合いながら学習を進めることができればと考えた。

(2)本校の教育目標
 本校の学校教育目標は,「強い体と豊かな心を持ち,生き生きと活動する子どもの育成」である。
めざす児童像は,
・考える子(自ら学び,自ら考え,主体的に取り組む児童の育成)
・助け合う子(友達を大切にすることができ,仲間とともに生き生きと活動できる児童の育成)
・がんばる子(どのようなことでも最後まであきらめないで,強い心で目標に向かってがんばる
         ことができる児童の育成)
・元気な子(自他の生命を大切にしようとする児童の育成)
である。
 生活科・総合的な学習を通して研究を進めていくことで,本校の教育目標に迫ることができる
と考える。

(3)児童の実態
  本校は,市街地から少し離れ,高梁川の西に位置する。学区は豊かな自然に恵まれた田園地帯に
 ある。近年,工業団地や住宅地が造成され,児童数が急激に増加したが,現在は少しずつ減少してきて

 いる。
  児童はとても明るく人なつっこい面があり,興味・関心をもつと進んで活動ができる。決められたこと
 はまじめに取り組むが,自ら問題を見付けて解決したり,根気強く物
事に取り組んだりすることができ
 にくいことがある。
  そこで,児童一人ひとりがはっきりした課題をもち,進んで活動できる場を設定し,個に応じた支援を
 していくことで,児童は自ら問題を見付け,自分の力で解決してい
くのではないかと考えた。
 
 以上のことから,研究主題である「人や自然とかかわりながら,生き生きと活動しようとする児童の
育成」を設定し,児童の興味・関心,意識の流れを大切にした生活科・総合的な学習を推進することで,
研究主題に迫っていきたいと考えた。
 
3 研究主題の捉え方
 「人や自然とかかわりながら」とは,児童自らのよさや可能性を発揮し,人や自然と関わりながら
お互いに協力して学習を進めることであるとらえる。
 ・自分の思いや願いがもてる子
 ・友達と協力して学習を進める子
 ・自分の学習を振り返ることができる子
 ・人や自然を大切にする子
 「生き生きと活動しようとする」とは,自分のはっきりとした課題を持ち,いろいろな方法で追求すること
 ができ,調べたことを分かりやすくまとめ,相手に伝えることができることであるととらえる。
 ・最後までやりとげようとする子
 ・自分の方法で課題を追求できる子
 ・創意工夫して活動ができる子
 ・自分を表現できる子
 
4 研究仮説
  生活科・総合的な学習おいて,児童の気付きや思い,願い,意識の流れを大切にした学習過程を工夫
 し,一人ひとりに応じた支援を行うことによって,児童自らが進んで活動し,問題を解決していくことが
 できるようになるであろう。
 
5 学年部のテーマ
  児童の実態や発達段階を考慮して,各学年部のテーマを設定するすることにより,研究主題に迫ろ
 うと考えた。
  ○低学年------友達となかよく活動できる児童の育成
  ○中学年------かかわりを深めながら楽しく活動できる児童の育成
  ○高学年------自ら課題を見つけ進んで活動ができる児童の育成
  ○障害児教育部------自分の思いをもって楽しく活動ができる児童の育成
 
6 研究内容
 (1) 研究の柱
 ・学区の特徴から
  高齢者や障害児等に対する理解-------------福祉
  豊かな自然に恵まれていること-------------環境
  福祉・環境を中心に各学年の年間計画に取り入れ,系統性を図る。他のテーマについては,各学年
  の実態や児童の願いなどから設定する。

  生活科についても総合的な学習と関連させ,福祉や環境を意識し,系統性を考える。
 ・総合的な学習の中で,情報や人と人とのつながりも大切である。学習を進めることで必ず入ってくる
  内容であり,実践の中で取り上げるようにする。

 ・「課題づくり」「人や地域との交流」「コミュニケーション能力(情報発信)」「実践化」を学習過程で取り
  上げ,授業実践を深めていく。

 (2) 学習の工夫

 ・児童の興味・関心,意識の流れを大切にした学習活動を構成する。
 ・児童一人ひとりに応じた支援のあり方を工夫する。
 ・児童の主体的な活動を保障し,ともに考え,意欲的に活動しようとするような体験的な学習を取り
  入れる。
 ・問題を解決していく学習過程において,学習を児童自身が見つめ,活動に生かせるような振り返り
  カードの工夫をする。必要に応じて,児童個人の学習記録を累積していくためのファイルを用意する。
 
 (3)学校行事や児童会活動などと関連させた取り組み
  環境や福祉に関する児童会や学校行事は,できるだけ主体的な活動になるように工夫する。
  事前事後の取り組みや総合的な学習と関連させた取り組みをする。


4 研究の重点
  ○どこの段階に重点を置くか。
   ・つかむ段階
    子どもの思いや願い,興味や関心が一人ひとりの課題へとなっていく活動でる。
   ・ふかめる段階
    子ども一人ひとりの「知りたい」「調べてみたい」「やってみたい」という意識をはっきりさせ,自分の
   問題の解決に向かっていろいろな方法で追求したり,調べたことを分かりやすくまとめたりする活
   動をする。これらの活動を通して,子どもたちはいろいろな事象や多くの人と出会い,問題解決の
   力を身に付けるとともに,友達のよさや地域すばらしさ,人の温かさに触れることになる。
   ・ひろげる段階
    自分なりの方法で調べてまとめた児童は,「こうやって調べた」「こんなことが分かった」など,自
   分で調べたことに成就感をもったりする。そこで,異学年の人や保護者,地域の人々,他校の友
   達に知らせてあげようという活動を展開する。相手に分かりやすく伝えるにはどのようにしたらよい
   のかを考えることにより,自分の考えや思いがはっきりしてくる。また,自分の生活に生かそうとす
   る活動に広げ,新たな発見や問題が生まれてくる。
 
  ○人とのつながりを大切にしていく。
    児童一人ひとりにはっきりとした課題を持たせることが学習を進める上でとても重要になってくる。
  はっきりとした課題を持てば,意欲的な学習につながる。情報発信と人との交流については学習活
  動全体を通して育成していく。
 
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5育てたい力
  総合的な学習の時間において育成したい資質や能力として次の4点を考え,学習過程との関連を
 図る。

 ○課題決定力
  ・調べることを自分で判断して決める。
  ・自分の課題に対して見通しをもつ。
 ○計画追求力
  ・調べ方が分かり,活動の計画を立てる。
  ・資料や情報を進んで集める。
  ・最後まで粘り強く活動する。
  ・コンピュータなどの情報機器を操作する。
  ・自己の活動を振り返る。
 ○コミュニケーション能力
  ・友達と仲良く協力して活動する。
  ・他の人や友達の話をよく聞く。
  ・集めた資料や情報を整理して分かりやすくまとめる。
  ・自分の思いや考えを相手に分かりやすく伝える。
  ・話し合いや討論に進んで参加する。
  ・場に応じた声の大きさで自信をもって発表する。
 ○実践力
  ・学習したことを自分の生活に生かす。
  ・学んだことからよりよい行動をとる。
 ○学習過程における育てたい力
学習過程 課題決定力 計画追求力 コミニュケーション能力 実践力
つかむ段階   ◎       ○  
ふかめる段階     ◎     ◎  
ひろげる段階     ○     ○  ◎