1 帝国主義の成立と列強の国情

1 帝国主義

 19世紀末から20世紀初めにかけて世界は帝国主義の時代に入っていった。

 ロシア革命の指導者レーニンはその著『帝国主義論(資本主義の最高段階としての帝国主義)』の中で「帝国主義とは、独占体と金融資本の支配が成立していて、資本輸出が著しく重要性を増し、国際的なトラストによる世界の分割が始まり、最強の資本主義諸国による世界の全領土の分割が完了したという発達段階に達した資本主義のことである。」と述べている。

 19世紀後半には先進資本主義国、特にアメリカ・ドイツなどで技術革新が進み、電力や石油を動力源として、鉄鋼・電機・化学などの重化学工業が急速に発展した。これを第2次産業革命と呼んでいる。

 産業革命によって成立した資本主義社会では、自由競争に勝ち残った少数の大企業が相互の競争を避けるために企業の集中を進め、カルテル・トラスト・コンツェルンなどの独占の形態が現れ、利潤の独占をはかるようになった。

 このような独占資本(独占企業)が銀行資本と結びついて金融資本が形成され、アメリカ・ドイツを初めとする主な資本主義諸国は独占資本主義の段階に入っていった。

 金融資本は、国内だけでは利潤をあげることが難しくなると、国内の余剰資本のより有利な投下先を求めて国外へ進出するようになった。

 こうして先進資本主義諸国は国内の余剰資本を原料・労働力・市場を持つ植民地などに投資することで(国外投資、資本輸出)より大きな利潤をあげようとし、欧米列強は植民地や従属国を求めてアジア・アフリカなどへの進出をはかった。このような段階に入った資本主義を帝国主義と呼んでいる。

 そのため帝国主義の時代には植民地の獲得などをめぐって国際的な対立が激しくなった。イギリスやフランスなどの先進資本主義国が早くから海外に進出して広大な植民地を領有したのに対し、遅れて帝国主義の段階に入ったドイツ・ロシア・日本などは遅れて植民地の獲得に乗り出し、植民地の再分割を要求した。このため帝国主義列強間で対立が激化し、第一次世界大戦の原因となった。

 帝国主義列強の国内では、労働運動が盛んとなり、帝国主義や軍国主義に反対する社会主義運動がおこり、社会主義政党が成立した。

 一方、帝国主義列強によって植民地とされ、あるいは従属させられた地域では激しい抵抗と解放のための闘争が展開され、同時に旧体制に対する変革の動きも広がっていった。




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